ロック装置を備えた操作装置
专利摘要:
本発明は、ギヤチェンジ変速機のシフト段を選択するための操作装置に関する。当該操作装置は、少なくとも3つの走行段位置の間で運動可能なセレクトレバー(1)と、該セレクトレバー(1)の運動範囲を制限するためのロック装置(4)とを有している。 本発明によれば、当該操作装置は、ロック装置(4)が、セレクトレバー(1)に結合された、多数のロック輪郭(7,8,9)を備えたアーム装置(5,6)を有していることにより特徴付けられる。この場合、各ロック輪郭(7,8,9)が1つのセレクトレバー位置に対応していて、アクチュエータにより作動可能なそれぞれ1つのロックエレメント(10,11,12)と係合可能であり、こうしてセレクトレバー(1)のための運動ストッパを形成する。 本発明は、僅かな構成上の手間をかけるだけで複雑なロック役目をも実現することを可能にする。操作時のひっかかりもしくはロック装置における定義されていない運転状態を回避することができる。セレクトレバーの運動範囲はアクチュエータにより制御されて十分に自由に位置決めされ得ると共に、操作装置は僅かな騒音発生ならびに短い切換時間しか有していない。 公开号:JP2011505294A 申请号:JP2010536323 申请日:2008-12-04 公开日:2011-02-24 发明作者:ギーファー アンドレアス;ローゼントレーター ザーシャ;ラーケ ルートガー 申请人:ツェットエフ フリードリヒスハーフェン アクチエンゲゼルシャフトZF Friedrichshafen AG; IPC主号:B60K20-02
专利说明:
[0001] 本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式の、速度段を切り換えるギヤチェンジ変速機、たとえばシフトバイワイヤ操作式のオートマチック変速機に用いられる操作装置、すなわち該操作装置が、少なくとも3つの走行段位置の間で運動可能なセレクトレバーと、該セレクトレバーの運動範囲を制限するか、特定のセレクトレバー位置を排除するか、もしくはセレクトレバーをブロックするためのロック装置とを有している形式のものに関する。] [0002] 自動車のギヤチェンジ変速機は通常、運転者の手の届く範囲に配置された操作装置によってシフトされるか、もしくは制御される。一般にこのためには、シフトレバーまたはセレクトレバーのような操作エレメントが使用される。これらの操作エレメントは、たとえば自動車の両フロントシートの間に配置されている。] [0003] 最近の操作装置では、特に安全性およびエルゴノミ(人間工学)の理由から運転者に実際に変速機操作を行っているという感覚を与えることが要求される。したがって、運転者には変速機の目下のシフト状態もしくは目下の作動状態に関して視覚的なフィードバックだけでなく、明確な触覚的もしくは触感的なフィードバックが媒介されることが必要となる。] [0004] 特にシフトバイワイヤ制御されるギヤチェンジ変速機(たいていの目下のオートマチック変速機もこれに属する)では、目下許容され得ないシフト状態もしくはシフト動作が存在する場合、エルゴノミおよび安全性の理由から、このようなシフト状態もしくはシフト動作が、セレクトレバーの所属の操作位置の相応するロックの形で視覚的にも、触覚的にも運転者に信号報知されることが要求される。] [0005] なぜならば、ますます多く使用されつつある、ギヤチェンジ変速機の電気的な操作もしくはシフトバイワイヤ式操作の場合には、車室内のセレクトレバーと、エンジンルーム内の自動車変速機との間に、もはや機械的な連結が存在していないからである。それどころか、操作装置から自動車変速機へのシフト指令の伝送は、「シフトバイワイヤ」式の変速機では、電気的または電子的な信号と、引き続き変速機において行われるたいていはエレクトロハイドロリック的(電気液圧的)なシフト指令変換とによって行われる。] [0006] しかし、シフトバイワイヤ操作式のギヤチェンジ変速機では、変速機アクチュエータ装置とセレクトレバーとの間の機械的な結合が存在していないことに基づき、変速機状態または場合によっては存在する、変速機内で入れられたシフトロックがもはや直接にセレクトレバーの状態へ反映されなくなるという事態が生ぜしめられる。したがって、運転者は、セレクトレバーにおいて知覚できるようにブロックされた特定のシフト位置につき、幾つかのレバー位置、走行段もしくは変速機状態が、目下の走行状態では場合によっては許容され得ず、ひいては選択され得ないことを容易に検知することができなくなる。] [0007] したがって、操作したいギヤチェンジ変速機の状態に関連して、かつ自動車における別の状態ファクタ、すなわちイグニッションがスイッチオンされていること、エンジンが回転していること、車両速度等に関連して、シフトバイワイヤ制御される変速機における触覚的なフィードバックを実現するためには一般に、セレクトレバーの操作範囲を変速機状態に応じてアクチュエータにより制御して制限することが必要となる。こうして、運転者には、セレクトレバーを把持する際にシフトバイワイヤ式の変速機においても、運転者のシフト意志が、たとえば自動車の目下の運転状態または走行状態に基づいて、もしくはギヤチェンジ変速機の目下の運転状態に基づいて、許容され得ず、ひいてはロックされていることを、触覚的に知覚できるように伝えることができる。] [0008] シフトバイワイヤ式の変速機のための単安定的(monostabil)な操作装置、つまり単安定性を有する操作装置に関しても、前記関係が特に重要となる。単安定的なセレクトレバーはバイワイヤ式にシフトされる変速機において好ましく使用される。なぜならば、その場合、たとえば自動的にパークロック(Auto-P)が入れられた場合に、変速機において場合によっては生じる自動的な状態変化の際にセレクトレバーを追従させるための手間のかかるアクチュエータ装置を不要にすることができるからである。] [0009] セレクトレバーは、単安定的な操作装置においては1つの安定的な(センタ)位置と、この安定的な(センタ)位置を起点とした種々の方向における、たいていは複数の非安定的な位置とを有している。しかしこの場合、変速機状態に応じて、機械的に存在する全セレクトレバー位置のうちのたいていは幾つかだけが、それぞれ実際のシフト操作のために使用される。それに対して、セレクトレバーから見て機械的にたしかに可能である別のセレクトレバー位置は、変速機状態に応じて、有意義なシフト操作を生ぜしめることができないか、もしくは有意義なシフト操作を生ぜしめてはならず、したがって運転者にセレクトレバーにつき、しっかりとした感触ならびに場合によっては存在するシフトロックに関する信頼性の良いフィードバックを伝えるためにアクチュエータによりロックされなければならない。] [0010] たとえば、変速機が「パークロック」状態にある場合は、たとえセレクトレバー自体はそのセンタ位置からさしあたりまだ自由に前方へ可動であったとしても、単安定的なセレクトレバーはそれ以上、走行方向で前方に向かって移動させられてはならない。それどころか、相応するアクチュエータ装置により、セレクトレバーがこの事例では走行方向に関して後方へ向かってのみ運動され得るように配慮されなければならない。] [0011] たとえば米国特許出願公開第2006/0016287号明細書またはドイツ連邦共和国特許出願公開第102005033510号明細書から明らかであるように、シフトバイワイヤ制御式のギヤチェンジ変速機のセレクトレバーが、多重作用型のアクチュエータと、許容され得ないシフト指令を選択的に遮断するための相応するレバーエレメントもしくは伝動装置エレメントとを備えていることによってこの問題に対処することが試みられている。これらのアクチュエータおよびこれによって制御されるレバーエレメントもしくは伝動装置エレメントは、車両状態もしくは変速機状態に関連して切り換えられ、これによりセレクトレバーの最初の全運動範囲が、目下の走行状態または変速機状態に相応して制限されるか、またはセレクトレバーが特定の場合において完全にロックされるようになる。] [0012] しかし、この場合に種々異なる多数のセレクトレバー位置が、種々異なる組合せにおいてアクチュエータによりロックされなければならないか、またはセレクトレバーの運動範囲が所定の角度範囲内で可変に位置決めされなければならない場合、このためには公知先行技術ではしばしば複雑なロックメカニズム(Sperrmimik)が必要となる。このことは、これに伴う手間や、相応するコスト増大に基づき、望ましくない結果を招く。このような慣用のロックアクチュエータ装置には、操作装置の範囲に提供されている構成スペースに関する問題も伴う。公知先行技術に基づき公知のロック装置はさらに、著しい騒音レベルを発生させる傾向にあり、そしてロック装置の比較的緩慢な切換時間に基づき、事情によっては複数のセレクトレバーロックのうちの1つのセレクトレバーロックの飛び越え(Ueberfahren)、ひいては操作装置の定義されていない運転状態が生じ得るという問題をもたらす恐れがある。] [0013] このような背景に鑑み、本発明の課題は、特にギヤチェンジ変速機の電気的もしくは電子的なシフトバイワイヤ操作のためのロック装置を備えた操作装置を改良して、上で挙げた公知先行技術の欠点を克服することのできる操作装置を提供することである。特に当該ロック装置は複雑なロックロジックの場合でも単純に形成されていることが望ましく、迅速な切換時間および僅かな騒音発生が達成されることが望ましく、そして定義されていない運転状態もしくはセレクトレバーのひっかかり(Hakeln)が信頼性良く阻止されることが望ましい。さらに、当該操作装置はできるだけ小さな構成スペースで十分となることが望ましい。] [0014] この課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴を有する操作装置、すなわちロック装置が、セレクトレバーに結合された、多数のロック輪郭を備えたアーム装置を有しており、各ロック輪郭が1つのセレクトレバー位置に対応していて、アクチュエータにより作動可能なそれぞれ1つのロックエレメントと、セレクトレバーのための運動ストッパを形成するように係合可能であることを特徴とする、ギヤチェンジ変速機のシフト段を選択するための操作装置によって解決される。] [0015] 請求項2以下には、有利な実施態様が記載されている。] [0016] それ自体さしあたり公知であるように、本発明による操作装置は、少なくとも3つの走行段位置を備えた、少なくとも1つのシフトゲート内で運動可能なセレクトレバーと、ベースと、ロック装置とを有している。この場合、ロック装置は、特に変速機のシフト状態または自動車の走行状態に関連して、セレクトレバーの運動範囲を制御可能に制限するか、特定のセレクトレバー位置を排除するか、またはセレクトレバーをブロックするために働く。] [0017] しかし、本発明によれば、操作装置は、ロック装置が、セレクトレバーに結合された、多数のロック輪郭を備えたアーム装置を有していることにより特徴付けられる。この場合、アーム装置の各ロック輪郭が1つのセレクトレバー位置に対応していて、各ロック輪郭はアクチュエータにより作動可能なそれぞれ1つのロックエレメントと係合させられて、ロック輪郭とロックエレメントとによってセレクトレバーのための運動ストッパが形成されるようになっている。] [0018] 公知先行技術に基づき、複数の運転位置を備えたアクチュエータ(たとえば複動式の電磁石)、サーボ電気的な変速機アクチュエータまたは変速機変速エレメントを有する操作装置が知られている。このような公知先行技術に比べて、本発明によれば、特にロック装置の操作に伴う騒音レベルの低減が達成され、ロック装置の一層迅速な反応時間が得られ、1つのロックの誤った飛び越えを防止する一層高い安全性、ひいては操作装置の定義されていない運転状態を防止する一層高い安全性が達成され得る。] [0019] 本発明はまず第1に、どのようにロックエレメントおよび所属のアクチュエータ装置が形成されかつ構造的に構成されるのかとは無関係に実現され得る。すなわち、たとえばロックアクチュエータをハイドロリック式もしくはニューマチック式のシリンダまたは電動モータ式のアクチュエータとして形成することが考えられる。しかし、本発明の特に有利な実施態様では、ロックエレメントが、アクチュエータの引出し可能なピンによって形成されている。この場合、ロックエレメントが、それぞれ電磁石の可動のアーマチュアによって形成されていると有利である。こうして、操作装置の特にコンパクトな設計、ロックエレメントの特に小さな質量、ひいては特に迅速な反応時間およびひっかかりまたはロックの望ましくない飛び越えを防止する高い安全性が得られる。] [0020] 本発明のさらに別の有利な実施態様では、アーム装置が、セレクトレバーの軸部と一体に形成されている。この実施態様も、とりわけ操作装置の特に廉価で頑丈で、質量の少ないコンパクトな構成のために役立つ。] [0021] 本発明のさらに別の有利な実施態様では、セレクトレバーの主操作方向に対して直交する横方向に移動可能に配置された横方向スライダが設けられている。この横方向スライダは当該操作装置のベース範囲でセレクトレバーを取り囲む長孔を有しており、これによりセレクトレバーはその主操作方向に関して横方向スライダに対して自由に可動となるが、しかしセレクトレバーの主操作方向に対して直交する横方向の運動は長孔の長辺を介して横方向スライダへ伝達される。さらに、横方向スライダは当該操作装置のロックアクチュエータによってブロック可能であるので、横方向スライダの移動が阻止され得る。] [0022] こうして、本発明は複数のシフトゲートを備えた操作装置もしくはセレクトレバー、特にセレクトゲートとティップゲート(Tippgasse)とを備えたセレクトレバーにまで拡張され得る。なぜならば、アクチュエータによりブロック可能となる横方向スライダが、セレクトレバーをその長孔によって取り囲み、これによりシフトゲートの間でのセレクトレバーの横方向運動によって横方向スライダの押し操作が行われるので、セレクトゲートからティップゲートへのセレクトレバーの運動をアクチュエータによりブロックすることができるからである。このことは、自動車の目下の走行状態に基づき、もしくは変速機の目下の運転状態に基づき、オートマチック運転とティップ運転との間でのチェンジが許容され得ない場合に特に重要となる。横方向スライダに関しても、所属のロックアクチュエータが有利には再び、引出し可能なアーマチュアピンを備えた電磁石として形成されている。この場合、アーマチュアピンは横方向スライダをブロックするために有利には、横方向スライダに設けられた少なくとも1つの対応する切欠きと直接に係合されるようになっている。] [0023] 本発明のさらに別の有利な実施態様では、操作装置が、ティップゲートからセレクトゲートへセレクトレバーをアクチュエータにより戻すためのアクチュエータ装置を有している。この実施態様により、パークロック(Auto-P)が自動的に入れられている状態でセレクトレバーがティップゲートに残されているような場合に、セレクトレバーが次の走行開始の際に、変速機状態「パークロック」とは一致しない位置に位置してしまうこと回避することができる。] [0024] セレクトレバーがティップゲートに残されていると、セレクトレバー位置は変速機の実際のシフト状態とはもはや一致しなくなってしまう。したがって、運転者が車両に戻った際、もしくは車両のスタートが試みられる際に、セレクトレバー位置につき、視覚的にまず不適切な情報が運転者に与えられてしまう。セレクトレバー位置を視認することにより、運転者は、変速機が走行段位置に位置していると思い込んでしまうが、実際には変速機ではパークロックが入れられている。] [0025] したがって、運転者へのこのような誤情報を阻止するために、特に運転者のための付加的な信号装置が設けられなければならない。この信号装置は、「Auto−P」により入れられたパークロックの場合には、セレクトレバーをまずマニュアル式に単安定的な位置へもたらしたあとでしか車両をスタートさせることができないことを運転者に信号報知する。] [0026] セレクトレバーをアクチュエータにより戻すためのアクチュエータ装置は、セグメント式のウォーム伝動装置またはスピンドル伝動装置を有していると有利である。こうして、アクチュエータ装置は特にスペース節約的に形成され得ると同時に、高い変速比を有する。これにより、アクチュエータ装置を駆動するために特に小さな電動モータを使用することができ、アクチュエータ装置のための別の伝動装置段を場合によっては不要にすることができる。] [0027] 本発明のさらに別の有利な実施態様では、前記アクチュエータ装置が、フリーホイールばねによってばね負荷されたフリーホイールを有している。この場合、フリーホイールもフリーホイールばねも、前記アクチュエータ装置の操作方向に作用している。] [0028] こうして、セレクトレバーがティップゲート内にしっかりと固持されるか、または対象物によってティップゲート内にブロックされている場合に、アクチュエータ装置の誤機能またはアクチュエータ装置の損傷を回避することができる。それに対して、アクチュエータ装置によってティップゲートからセレクトゲートへのセレクトレバーの自動的な戻しが行われる。セレクトレバーがティップゲートからセレクトゲートへ直ちに戻される代わりに、この場合には、アクチュエータ装置によってフリーホイールの開放下にフリーホイールばねだけがプリロードをかけられる。セレクトレバーから手が離されるか、またはセレクトレバーのブロックが解除されるやいやな、フリーホイールばねに蓄えられたばねエネルギに基づきセレクトレバーはセレクトゲートへ戻る。] [0029] 特にセレクトレバーの特定の運動範囲の、冒頭で挙げた可変の位置決め可能性の背景によって(所望の運動範囲外にそれぞれ位置するセレクトレバー位置のアクチュエータによるロックによる)、本発明のさらに別の有利な実施態様では、セレクトレバーが単安定的に形成されている。] [0030] このことは第1に、セレクトレバーが、各シフト操作の後にばね負荷されて再び同一のセンタ位置へ戻ることを意味する。単安定的なセレクトレバーは、とりわけシフトバイワイヤ制御される変速機の操作の際に有利である。なぜならば、こうして、場合によっては自動的に入れられた変速機走行段(たとえば「Auto−P」につき自動的に入れられたパークロックの場合に)において、セレクトレバーのモータ式の追従を不要にすることができるからである。その代わりに、このような単安定的に形成されたセレクトレバーにおいては、第1に変速機走行段の表示が追従されるか、もしくはその都度更新されて、目下の変速機状態に適合されるだけでよい。] [0031] しかし、運転者にとってはこのことは、変速機の実際のシフト状態に関するフィードバックが、さしあたりもっぱら別個の表示、たとえば発光ダイオードまたは表示シンボルを用いた別個の表示に委ねられたままとなることを意味する。それに対して、単安定的なセレクトレバーでは、運転者に純然たるセレクトレバー位置につき、変速機のシフト状態に関する視覚的もしくは触覚的なフィードバックを媒介する手段が不要となる。] [0032] さらに公知先行技術に基づき公知の単安定的なセレクトレバーでは、適正な機械的なシフトロジックの実現、つまりセレクトレバーのその都度許容され得る運動角度範囲の機械的な追従に手間がかかる。しかし、アーム装置と多数のロック輪郭とを備えたロック装置の本発明における使用は、この場合にも利点をもたらす。なぜならば、各ロック輪郭の別個に作動可能となるロックエレメントに基づき、それぞれ運動範囲に所属していないセレクトレバー位置のロックによってセレクトレバーのそれぞれ許容され得る運動範囲を、セレクトレバーの機械的に提供されている全運動窓内で可変に位置決めすることができるからである。] [0033] このことは単安定的なセレクトレバーにおいては、操作後にセレクトレバーによって常に自動的に再び占められるセンタ位置が、さしあたり変速機のそれぞれ任意の実際のシフト状態に対応していてよい点で重要となる。特に、安定的なセンタ位置に留まったセレクトレバーは原理的に、規格通りの変速機走行段「Pレンジ」、「Rレンジ」、「Nレンジ」または「Dレンジ」のそれぞれを表すことができる。変速機が実際にどの走行段に位置しているのかは、セレクトレバーに設けられた相応する可変の表示装置によるか、または車両インストルメントパネルにおいてのみ運転者に表示される。] [0034] しかし、アーム装置と多数のロック輪郭および所属のロックエレメントとを備えたロック装置の本発明における使用に基づき、単安定的なセレクトレバーにおいても、複数の安定的なセレクトレバー位置を有する汎用の多安定的(multistabil)なセレクトレバーもしくは多安定性を有するセレクトレバーの特性を、セレクトレバーの運動範囲が、変速機においてその都度実際に入れられている走行段に関連することに関して模倣することができる。すなわち、変速機において、たとえばパークロックが入れられていると、コンベンショナルなセレクトレバーは前方へ向かってはそれ以上1段分も運動させることができないが、しかし一般に後方に向かっては2〜4段分だけ運動させることができ、その後にセレクトレバーは、操作装置に設けられた、パークロック位置に向かい合って位置するストッパもしくはセレクトレバーゲートの反対の側の端部に当接する。] [0035] 本発明によれば、直感的な操作可能性および変速機状態の触覚的な認識可能性のために役立つこのような特性を、単安定的なセレクトレバーにおいても構造的に比較的単純に実現することができる。この場合、このことは、各ロックエレメントを作動させることによって、セレクトレバーの目下許容され得る運動範囲をその都度、入れられている変速機走行段にロジック的に対応するような方向で、かつ入れられている変速機走行段にロジック的に対応する数のシフト段分だけセレクトレバーの運動が可能になるようにセレクトレバーの構造上の全運動窓内で移動させることにより実現される。] [0036] 本発明のさらに別の有利な実施態様では、前記ロック輪郭が、たとえばエラストマ製のインサートまたはロック切欠きの範囲における一体射出成形部の形のエラストマ製のストッパダンパを有している。これにより、シフト過程、操作過程もしくはロック過程における特に良好な騒音減衰が達成される。] [0037] 以下に、本発明の実施形態を図面につき詳しく説明する。] 図面の簡単な説明 [0038] 本発明による操作装置の1実施形態を示す概略的な斜視図である。 図1に示した操作装置のセレクトレバーとロック装置とアクチュエータ装置とを、ハウジングベースが取り除かれた状態で示す、図1に対応する斜視図である。 図1および図2に示した操作装置のセレクトレバーとアクチュエータ装置とを、ロックアクチュエータ装置が取り除かれた状態で示す、図1に対応する斜視図である。 図1〜図3に示した操作装置のセレクトレバーとロックスライダとを、セレクトレバーがティップゲートに位置する状態で示す、図1〜図3に対応する図である。 図4に示したセレクトレバーとロックスライダとを、セレクトレバーがシフトゲートに位置する状態で示す、図4に対応する図である。] 図1 図2 図3 図4 [0039] 図1には、本発明による操作装置の1実施形態が、概略的な斜視図で示されている。図面からは、まず第1にセレクトレバー1ならびに操作装置のベースハウジング2が判かる。ベースハウジング2に配置された、セレクトレバー1のための旋回支承部3ならびに同じくベースハウジング2に配置されたロック装置4を図示できるようにするために、ベースハウジング2からは、走行方向に関して右側のハウジング半部が除去されている。] 図1 [0040] 図1から判るように、ロック装置4は第1に2つのアーム5,6を備えたアーム装置を有している。アーム5,6はロック輪郭7,8,9を有しており、この場合、アーム5,6は、ひいてはロック輪郭7,8,9も、セレクトレバー1と一体に形成されている。] 図1 [0041] ロック輪郭7,8,9に対して形状対応して、ロックエレメントもしくはロックアーマチュア10,11,12が設けられている。この場合、これらのロックアーマチュア10,11,12はソレノイドもしくは電磁石により形成されたアクチュエータ13,14,15の軸方向移動可能なアーマチュア(可動子)によって形成される。] [0042] ロックアーマチュア10,11,12は電磁式のアクチュエータ13,14,15によって個々に軸方向に引き出され得る。次いで、ロックアーマチュア10,11,12はそれぞれ所属のロック輪郭7,8,9と共にセレクトレバー1のための個々に制御可能なロックストッパを形成する。特に良好な騒音減衰を達成するためには、ロック輪郭7,8,9が、図示の実施形態ではそれぞれエラストマ製のインサートを備えている(たとえばロック輪郭8に設けられたインサート8a、同様のインサートはその他のロック輪郭7,9においても存在する)。] [0043] 図示の実施形態では、第1、第3の両ロック輪郭7,9ならびに所属のロックアーマチュア10,12が、セレクトレバー1の図1に示したセンタ位置におけるセレクトレバー1の旋回範囲を制限するために働く。このことは言い換えれば、ロックアーマチュア10もロックアーマチュア12も作動させられるか、もしくは引き出されていると、セレクトレバー1が図示のセンタ位置に完全にブロックされ得ることを意味している。セレクトレバー1のセンタ位置におけるロックには、機能的には、たとえばシフトロックが相当し得る。シフトロックでは、イグニションが接続され、かつブレーキペダルが踏み込まれるまで、セレクトレバーは(その場合、パークロック位置を表す)センタ位置においてロックされたままとなる。有利には、セレクトレバーはシフトロックの場合には、セレクトゲートとティップゲート(Tippgasse)との間の時間的な旋回運動に関してもロックされる。このためには、横方向スライダ18および所属のロックアクチュエータ29が使用される(図4および図5参照)。] 図1 図4 図5 [0044] 第2のロック輪郭8と所属のロックアーマチュア11とにより、セレクトレバー1のための別のストッパが形成される。このストッパ8,11は、所属のロックアーマチュア11が引き出されている場合に、走行方向に関して前方に向かって(図面で見て右側へ向かって)1走行段位置分だけセレクトレバー1が変位させられた場合に有効となる。したがって、これによって前方へ向かうセレクトレバー1の運動範囲は相応して減じられるか、もしくは制限される。こうして、変速機が、たとえば運転位置「D」(Drive)に位置している場合に、たとえば走行中に後退ギヤ(後退レンジ)がセレクトされることを回避することができる。同様に、ベースハウジング2に設けられたセレクトレバー1のもともと存在している既存の静的な終端ストッパの他に、かつ図示の実施形態において存在する3つのストッパ位置に対して付加的に、別のロック輪郭および別のロックアーマチュアを配置することによってセレクトレバー1の別の角度位置のための別のストッパを実現することもできる。] [0045] 図1には、さらにディテントピン(Rastierpin)16が示されている。このディテントピン16はセレクトレバー軸方向において、ばねプリロードをかけられた状態で可動にセレクトレバー1の下端部に配置されている。ディテントピン16の端部(図面では見えていない)は、ディテントガイド(Rastierkulisse)17内に収容されている。ディテントガイド17は内部にほぼホッパ状の形状を有しており、この形状とディテントピン16のばね負荷とが相俟って、セレクトレバー1はセレクトレバーシフトゲートのうちの1つのゲート内の各位置からばね負荷されて再びそのセンタ位置へ戻るようになる。] 図1 [0046] さらに図1には、セレクトゲートとティップゲートとの間でのセレクトレバー1の側方の旋回運動をロックするために働く横方向スライダ18が図示されている。この横方向スライダ18については、図4および図5につき詳しく説明する。] 図1 図4 図5 [0047] 図2には、図1に示したセレクトレバー1とロック装置4とから成るアッセンブリが再度図示されている。ただし、図2ではベースハウジング2の図示が省略されている。これにより、特にロックストッパもしくはロックアーマチュア10,11,12を運動させるための電磁式のアクチュエータ13,14,15が一層明瞭に見えている。さらに、図2には、図1とは異なり、付加的になおティップゲートからセレクトゲートへセレクトレバー1をアクチュエータにより戻すためのアクチュエータ装置19が図示されている。アクチュエータ装置19は電気モータ20を有しており、この電気モータ20の出力軸には、ねじ山付きスピンドル21が配置されている。このねじ山付きスピンドル21に沿ってスピンドルナット22が移動する。スピンドルナット22はアクチュエータレバー23,24を介してセレクトレバー1の下端部に作用する。この場合、アクチュエータレバー23,24は1つの旋回軸25に支承されている。] 図1 図2 [0048] 特に図3から判るように、アクチュエータレバー23,24は2つの部分から形成されている。この場合、入力側半部23も、出力側半部24も、共通の旋回軸25に支承されている。入力側半部23と出力側半部24との間には、フリーホイールのように作用するストッパ26が配置されている。このフリーホイールストッパ26はフリーホイールばね27によってプリロードもしくは予荷重をかけられている。] 図3 [0049] したがって、セレクトレバー1を、アクチュエータ装置19−27によってそのティップゲート位置(図4参照)からアクチュエータによりセレクトゲート位置(図5参照)へ移動させることができる。このときにセレクトレバー1が誤ってしっかりと固持されてしまったり、あるいはある対象物によってブロックされてしまった場合、ばね負荷されたフリーホイールストッパ26,27がアクチュエータ装置19−27の過剰負荷または損傷を回避する。この場合、セレクトレバー1の運動の代わりに、フリーホイールばね27だけがプリロードをかけられる。セレクトレバー1が再び解放されるやいなや、フリーホイールばね27に蓄えられたアクチュエータ装置19−27の操作エネルギにより、ティップゲート位置(図4参照)からセレクトゲート位置(図5参照)へのセレクトレバー1の自動的な戻しが行われる。ティップゲートからセレクトゲートへのセレクトレバー1の戻し運動ができるだけ騒音なしに行われるようにするために、セレクトレバー1の下端部はエラストマで被覆された縁部もしくは弾性的なリング28を有している。このリング28には、アクチュエータレバー23,24の出力側半部24が当て付けられるようになっている。] 図4 図5 [0050] 図4および図5には、セレクトゲート位置(図5)からティップゲート位置(図4)へのセレクトレバー1の旋回運動のためのアクチュエータ式のロック手段が示されている。図面からは、まず特にロックスライダ18(図1および図2も参照)が認められる。ロックスライダ18は操作装置のベースハウジング2(図示しない)のハウジング半部に設けられた対応する直線ガイド内に水平方向に移動可能に収容されてかつ案内されている。セレクトレバー1に結合するためには、ロックスライダ18が長孔切欠き31を有している(図2も参照)。この長孔切欠き31内では、セレクトレバー1が主運動方向に沿って自由に前方もしくは後方へ向かって運動し得る。それに対して、長孔切欠き31の広幅側によって、ティップゲートとセレクトゲートとの間のセレクトレバー1の側方の旋回運動と、ロックスライダ18の相応する線状移動とのカップリングが同時に行われる。セレクトゲート(図5)からティップゲート(図4)へのセレクトレバー1の旋回運動を、車両の目下の走行状態に関連して、もしくは変速機において目下入れられている走行段に関連して阻止するためには、電磁式のロックアクチュエータ29の(図5ではロックスライダ18によって遮蔽されている)アーマチュアピンが下方へ向かって引き出されて、ロックスライダ18に設けられた対応する切欠き内に係合する。図5に示したセレクトゲート位置からのセレクトレバー1の側方運動のロックを再び解除するためには、ロックアクチュエータ29のアーマチュアピンが引き込まれ、支承ピン30を中心としたセレクトレバー1の旋回運動の後に、図4に示した状況が生ぜしめられる。] 図1 図2 図4 図5 [0051] したがって、その結果、本発明によれば、公知先行技術に比べて、複雑なロック役目の場合でも比較的僅かな構造上の手間をかけるだけで十分となるという利点を有するロック装置を備えた操作装置が提供されることが判る。重要な利点は僅かな騒音発生ならびに短い切換時間の形で達成される。さらに、場合によってはセレクトレバーの操作とロック装置の作動とが同時に行われた場合に、定義されていない運転状態もしくはセレクトレバー1のひっかかりを信頼性良く阻止することができる。さらに、セレクトレバー1の運動範囲をギヤチェンジ変速機のその都度の運転状態に適合するように十分に自由に位置決めすることができる。] [0052] こうして、本発明によれば、特に単安定的な操作装置の場合に、実際のシフト状態や、たとえば自動変速機の場合の実際の操作可能性に関して、運転者にとって信頼性の良い触覚的なフィードバックを提供することができる。単純な構造および高い信頼性により、本発明は自動車変速機のための操作装置における操作快適性、エルゴノミ、コスト有効度および安全性を改善するために重要な貢献を果たす。] [0053] 1セレクトレバー 2ベースハウジング 3旋回支承部 4ロック装置 5,6ロックアーム 7,8,9ロック輪郭 10,11,12ロックアーマチュア 8aエラストマ製のインサート 13,14,15ロックアクチュエータ 16ディテントピン 17ディテントガイド 18ロックスライダ 19アクチュエータ装置 20電気モータ 21ねじ山付きスピンドル 22スピンドルナット 23,24アクチュエータレバー 25旋回軸 26フリーホイールストッパ 27 フリーホイールばね 28エラストマリング 29 ロックアクチュエータ 30 支承ピン 31長孔切欠き]
权利要求:
請求項1 ギヤチェンジ変速機のシフト段を選択するための操作装置であって、該操作装置が、少なくとも3つの走行段位置の間で運動可能なセレクトレバー(1)と、該セレクトレバー(1)の運動範囲を制限するか、特定のセレクトレバー位置を排除するか、もしくはセレクトレバー(1)をブロックするためのロック装置(4)とを有している形式のものにおいて、ロック装置(4)が、セレクトレバー(1)に結合された、多数のロック輪郭(7,8,9)を備えたアーム装置(5,6)を有しており、各ロック輪郭(7,8,9)が1つのセレクトレバー位置に対応していて、アクチュエータにより作動可能なそれぞれ1つのロックエレメント(10,11,12)と、セレクトレバー(1)のための運動ストッパを形成するように係合可能であることを特徴とする、ギヤチェンジ変速機のシフト段を選択するための操作装置。 請求項2 ロックエレメントが、アクチュエータ(13,14,15)の引出し可能なピン(10,11,12)によって形成されている、請求項1記載の操作装置。 請求項3 ロックエレメントが、電磁石として形成されたアクチュエータ(13,14,15)の可動のアーマチュア(10,11,12)によって形成されている、請求項1または2記載の操作装置。 請求項4 アーム装置(5,6)が、セレクトレバー(1)の軸部と一体に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の操作装置。 請求項5 セレクトレバー(1)の主操作方向に対して直交する横方向に移動可能に配置された横方向スライダ(18)が設けられており、該横方向スライダ(18)が、当該操作装置のベース範囲(2)でセレクトレバー(1)を取り囲む長孔(31)を有しており、該横方向スライダ(18)が、ロックアクチュエータ(29)によってブロック可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載の操作装置。 請求項6 ティップゲートからセレクトゲートへセレクトレバー(1)をアクチュエータにより戻すためのアクチュエータ装置(19)が設けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載の操作装置。 請求項7 前記アクチュエータ装置(19)が、セグメント式のウォーム伝動装置またはスピンドル伝動装置(21,22)を有している、請求項6記載の操作装置。 請求項8 前記アクチュエータ装置(19)が、フリーホイールばね(27)によりばね負荷されたフリーホイール(26)を有しており、該フリーホイール(26)と該フリーホイールばね(27)とが、前記アクチュエータ装置(19)の操作方向に作用している、請求項6または7記載の操作装置。 請求項9 セレクトレバー(1)が単安定的である、請求項1から8までのいずれか1項記載の操作装置。 請求項10 前記ロック輪郭が、エラストマ製のストッパダンパ(8a)を有している、請求項6記載の操作装置。
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